今こそスローフィッシュのとき!
03 Jun 2021 | Japanese
今日から7月4日まで、オンラインとオフラインの両方で開催されます。
スローフード協会とリグーリア州がイタリアで主催する2年に一度のイベント「Slow Fish」は、今年はコロナウイルスの影響によりオンラインとオフラインに分けて行われます。第10回目となる今回は「The Water Cycles(水循環)」がテーマです。
今日から始まるオンラインイベントは、漁師、科学者、料理人、組織などの多様なコミュニティが集まり、私たちの海が直面している問題や課題を取り上げ、より良い未来を作るために私たち全員がどのような役割を果たすことができるかを示唆する豊富な内容です。会議やフォーラム、生産技術やレシピ、その他の調理法の秘密を明かす解説ビデオ「How It’s Made」、世界中の人々やコミュニティの物語「Sea Tales」、一見かけ離れた世界を一つにするオンライン対話「Fish Out Of Water」、作家、経済学者、哲学者、人類学者、生態学者による「Food Talks」などがあります。
7月1日から4日まで、イタリアのジェノバで開催されるオフラインのイベントは、味覚のワークショップやディナー等、すべてが「スローフィッシュ・メニュー」となっています。プログラムの詳細はイベントのウェブサイトをご覧ください。
「スローフィッシュ2021の目標は、個人や集団の選択が、ミクロの世界から惑星レベルまで、あらゆるものを結びつける複雑な相互関係の網によって、いかに目の前の現象を遥かに越えた影響を与えるかを指し示すことにあります」と、新しく発足したスローフィッシュ諮問委員会のメンバーであるカナダの科学者、ターシャ・サトクリフはコメントしています。本日発表された、国際的なスローフィッシュ・ネットワークのための新しいガイド・ツールには、研究者、活動家、そして漁師を含む様々な分野の専門家が参加しています。地域の様々な背景を鑑み、ネットワークの中で、結束力、積極性、現実性に富んだ重要な役割を果たします。諮問委員会は、キャンペーンの政治動向に関する問題に指針を与えるだけでなく、漁業の生物学的、環境的、経済的側面に関するより技術的、地域的な問題に対応することを目的としています。諮問委員会メンバーはこちらでご紹介しています。
「スローフィッシュは、常に海や海洋に目を向けてきました。しかし、海や海洋の生命とその健全性は、この地球上の私たち自身の生命にも強い影響を与えています」とスローフィッシュ・ネットワークのコーディネーター、パウラ・バルベイトは言います。「海や海洋が気候に与える影響や、人間の行動がこれらの生態系に与えるダメージを考えてみてください。例えば、過剰な生産活動では、大気を汚染する化学物質を大量に使用し、大気中の炭素を増加させ、さらには海のpH値に影響を与え、長期的な酸性化を引き起こします。一方、自然の均衡をできるだけ崩さない策を模索する事が、持続可能性を追求する活動につながります。”詳しくはこちらをご覧ください。
世界海洋デーである6月8日に開催される会議「The Future of Our Oceans」では、海洋とその相互関係に焦点が当てられます。諮問委員会のメンバーにより、海洋をグローバル・コモンズとするスローフィッシュのビジョンが紹介されるほか、共通の問題に対する最善策や潜在的な解決策についても紹介されます。
6月14日に開催されるフォーラム「海洋生物多様性:つながりのネットワーク」では、海洋生物に不可欠な栄養豊富な淡水を運ぶために、河川流域がいかに重要であるかを紹介します。また、世界各地の事例を紹介しながら、海を大切にするために陸上で行われている努力と、そのような努力が行われていない場合に何が起こるのかを探ります。
6月21日に開催されるウェビナー「Classifying marine debris(海洋ゴミの仕分け)」では、海中のプラスチックを削減するための政策と、海の健全性向上に貢献するために漁業従事者はいかに海洋ゴミを処理したらよいかに注目します。
6月30日には、地中海地域における持続可能で公正なフードシステムへの移行を促進するプロジェクト「Foodnected」を紹介します。Foodnectedは、人と地球のより良い未来のために活動する小規模な食品生産者をコア・バリューとしています。
「ガーデンかモノカルチャーか、岐路に立つ海藻栽培」7月3日に開催されるこのパネルディスカッションでは、天然海藻を扱う世界中の小規模な業者が、現代の海藻にまつわる問題、支配的な水産養殖のシナリオ、そしてブルーエコノミーのパラダイムについて批判的に考えます。
“漁業、海洋環境、生物多様性保全問題の専門家であり、スローフィッシュ諮問委員会のメンバーであるニーナ・ウォルフは、「あまりにも長い間、複雑な理由から、政策はこのテーマを教育、環境、健康、経済、正義の分野における計画の中核に据えてこなかった」と言います。「現在の状況は非常に危機的です。海洋環境と、それに直接依存して生存している人々の貧困と脆弱性は簡単に見て取れます。一方で、社会が環境問題や食の問題に関心を持ち、消費の倫理に敏感になっているという明るい兆しもあります。私たちはこの機会を捉え、新しいガバナンスの方法と新しいアプローチを一刻も早く実行する必要があります。」
スローフィッシュは、魚の裏側にあるバリューチェーンを再発見するための国際的なスローフードのキャンペーン(http://localhost/slowfood/what-we-do/themes/slow-fish/)でもあります。スローフィッシュは、漁師、生産者、生物学者、料理人が社会的関係を強化するために活動するコミュニティである、国際的なスローフィッシュ・ネットワークの集合知から発展したものです。
スローフィッシュ: 奇数年に開催されるこのイベントは、スローフードとリグーリア州が主催し、ジェノバ市、イタリア エコロジー移行省、ジェノバ商工会議所が後援しています。また、スローフィッシュは、メインパートナーであるBBBell、FPT Industrial、Pastificio Di Martino、Quality Beer Academy (QBA)、Reale Mutua、UniCredit、InKindパートナーであるBormioli Rocco、Bormioli Luigi、BSD Liebherr、Rina、S.Bernardo、GreenパートナーであるPoolPack、Amiu, Ricreaの協力により実現しています。
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