毎年12月10日、スローフードの記念日–地産地消、農業の生物多様性と持続可能な食糧生産を推進する『テッラ・マードレ・デー』 を、グローバルスローフードネットワークが祝福します。
今年のテッラ・マードレ・デーでは、スローフードによる“Menu for Change”キャンペーンに特に注目を呼びかけています。このキャンペーンは食と気候変動の間の関連性に着目し、「食」から私たちは状況を打開することができる、しなければならないと考えるものです。生物多様性保護、食と環境教育、全ての当事者間における認識を高め、あらゆるレベルで政策に影響を与える努力、これらに取り組むことで環境へのインパクト緩和を図りながら、食品生産のためのスローフードによるワールドワイドな支援と促進を推し進めてゆきます。
スローフード・インターナショナル創立者で会長のカルロ・ペトリーニは次のように述べています「毎年12月10日、私たちはテッラ・マードレ・デーを祝福します。気候変動への認識を高めながら我々のキャンペーンに加わっていただくことは、またとない機会だと思います。それは我々皆にとっての義務ではないでしょうか。私たち個人の振る舞い、特に自らの食習慣からスタートして私たちは、温室効果ガスによって生じる破壊的なプロセスに力を及ぼすことができると考えます。私たちの日常のメニューや、身近な状況から取り組みを始め、そしてこの例年のパーティーをかくあるべき形で祝いましょう。」
多くのコミュニティが写真やストーリーをフェイスブック上でシェアしています。以下は世界各地で開催される、今年のお祝いの要約です:
アルバニア
複数のイベントが開催予定となっています。セリックでは、アルバニアの庶民料理におけるBallegjere Fishの重要性について認識を高めてもらうためのイベントが行われます。ここではスローフード・アライアンスに賛同するシェフらが、地元の学校の生徒たちと一緒にこの魚を調理します。Shirgjanでは、地元産のオイルをテーマとするイベントが開催されます。
オーストラリア
スローフード・キャンベラは『Terra Madre Luncheon』と題するイベントを、ショールヘブン、キャンベラ、サドルバックのスローフード支部らによる共催で準備中です。メニューは地産品および周辺地域の小規模生産者を特集する内容になる見込みです。
ブルガリア
スローフードは12月11日にソフィアで 『The Tastes of the Ground』 というディナーを予定しています。翌12月12日は、味の箱船に登録されるKurtovka apple やBuhavitza appleなどの土着のりんご品種をフォーカスする別のイベントが開催されます。
エチオピア
スローフードは首都アディスアベバで、環境に優しく持続可能な食品生産の推進を目的とする月例のオーガニック・ファーマーズ・マーケットの、第3回目の準備をしているところです。スローフードネットワークの製品のほかにもアウランバ(Awramba)コミュニティ・ファーマーズ・コープが生産する食品、ブラックシード・オイル、土着のアルシ(Arsi)牛の乳製品なども並ぶ予定になっています。
フランス
ピエール・ルクートル(Pierre Lecoutre)シェフが12月9日、パリの自身のレストラン L’Oseille において、国際キャンペーン”Menu for Change“に捧げるディナーを準備しています。
ドイツ
テッラ・マードレ・デーを祝福するイベントの数々が予定されています。ユーバーリンゲン(バーデン・ヴュルテンベルク州)では、地元生産者と生演奏も交えたローカルマーケットを開催予定。Rechtmehring(ババリア州)では、Simsseer Weidefleisch協同組合を目指すエクスカーションをスローフードが企画しています。
インドネシア
スローフードは12月9〜11日の3日間にわたるイベント“ピサン(Pisang)”プレシディオ・パレード・パーティーを、Ibu Dapoerにて開催します。イベントでは地元の持続可能な食事を提供。Bubrah Gayam のストリートマーケット訪問や、ジョグジャカルタの伝統種バナナのプレシディオ生産者らの訪問も企画されています。
イタリア
複数のイベントが予定される中から幾つかを挙げてみましょう。ブラジルのスローフード・セラード(Cerrado)とイタリアのスローフード・バッソ・マントヴァーノが、多国籍ガストロノミーと文化交流をロンバルディア州ボッツォレット・ディ・ヴィアダーナで開催します。シチリア州レンティー二、カンパーニャ州ピアノ・ディ・ソッレントにおいては、アースマーケットが予定されています。ヴェネト州ノヴェンタ・ディ・ピアーヴェでは地域の特産品の試食会が企画されています。
日本
12月9日、三重県菰野(こもの)町で、奥田シェフによる地域の旬の素材を使った”Menu for Change”ディナーを開催。奥田シェフは渡辺智史監督の映画『よみがえりのレシピ』の中で、若いコミュニティのお陰で、どのようにして自らが大和地方に伝わる食の遺産を守るべく人生をかけてきたのかを語っています。
ケニア
国内の全てのスローフード・コミュニティが、環境に配慮するローカルフードに関する活動を企画中です。
12月8日スローフード・ケニヤはGitareにて、イベント『Seed and Food』をSeed Saversとの協力の下に開催します。気候変動へのインパクト緩和のためのカギとして、種子と生物多様性の保存について人々に敏感になってもらうこと、また、アフリカの食糧システムを企業が統制する現実との闘いが白熱化していることや、多国籍企業に押される工業型農業の動きについても、種子からスタートして参加者の方々に敏感になってもらうことを目的としています。
モロッコ
スローフードは、Sidi Boulanoir村(スース=マッサ地方、ティズニット県)に新たに学校菜園をつくる計画をしています。地域の特産品の試食や、スローフィッシュ・キャンペーンについて、および海洋保護の重要性について議論が行われる予定です。この地域のコミュニティは、Aglou の熟練の漁師と料理人としてテッラ・マードレのコミュニティにも参加しています。
オランダ
スローフード・シェフズ・アライアンスがユトレヒトで、イベント『Doomsday Drink-In(最後の審判の日、ドリンクイン)』を午後2時〜8時の間開催します。イベントでは、スローフード・ユース・ネットワーク(SFYN)のシェフらが作るおつまみと共に、飲み物を楽しむ内容となる予定です。ここでは地元のワインや蒸留酒、コーヒー、お茶に加え、参加者らにより持ち込まれる地域の特産品が提供されるでしょう。手作り品や地域の特産品の飲み比べをする機会となりそうです。
ポーランド
スローフード・ドルヌィ・シロンスクは、”Menu for Change“キャンペーンに捧げるイベント『eduBIESIADA』をヴロツワフで企画しています。参加者へは、各自が地元産の素材を用いた料理のほか、地域のスローフード活動についてや、味の箱船に認定された豆Eagle Polish Beanにまつわるプロジェクト、食と健康を結ぶトピックなど、議題を持ち寄るよう呼びかけています。この他ワルシャワのスローフード支部は、マゾフシェ地方の良質な製品を振る舞う朝食会を開催予定です。
ルーマニア
スローフードはヤシにて、イベント『Gustă Slow de Terra Madre Day』を開催する予定です。地域の生物多様性と環境に配慮して作る健康食がテーマです。
ロシア
12月6日、ロシアのスローフード・シェフズ・アライアンスに加わるシェフIgor Grishechkinが、テッラ・マードレ・デーと国際キャンペーン”Menu for Change”に捧げるイベントを、サンクトペテルブルグで開催します。スローフード・オカは、ローカルフェスティバルをプーシチノ(Zaokskij地区、トゥーラ地域)にて、Mikhail Lukashonok シェフ(スローフード・シェフズ・アライアンス メンバー)、Vitaly Ivanov シェフ(スローフード・シェフズ・アライアンス 候補者)との協力の下、地元のラフカラフカ・ファーマーズマーケットを会場に開催する予定です。ここでは地元の素材を使った、シェフらによる料理の数々を味わうチャンスもあるでしょう。
シエラレオネ
スローフードはDarluにおいて、ケネマ・コラ(Kenema Kola) 豆のプレシディオのコミュニティのためのイベントを企画しています。若者らに地産品に関心を寄せてもらうためのワークショップと、コラの生産者とコミュニティメンバー間の絆を深めるためのソーシャルランチが持たれる予定です。
スロベニア
スローフード・スティリアはコペルにて、イベント『Dan Matere zemlje』を企画しています。ここでは収穫物についての短いワークショップ、豚脂やラシュキ・リースリングワインなどの地産品の試食が予定されています。
スペイン
スローフード・コンポステーラは、Nave de Vidan(ガリシア県)で、テッラ・マードレ・デーを祝福すべく地域の旬の素材を用いた昼食会 を企画中です。ここには生産者、農家、料理人と消費者らが招かれています。
南アフリカ
スローフード・アライアンスから4名のシェフがヨハネスブルグにて、味の箱船に載る製品のみを使って料理をします。会場周辺においても、地域の食と気候変動に関わる催し物が行われる予定です。
チュニジア
スローフードは最近になり、チュニジアで2つ目のプレシディオ「ケルケナ(Kerkennah)」の伝統漁法に着手しました。地元のネットワークが12月10日にウレドで開催するイベントでは、気候変動が地域生産物に及ぼす影響についてのディスカッション、地域食という遺産の説明、フォークロアショー、地元の伝統料理 Couscoussi Ghallah の試食などが予定されています。
トルコ
スローフードはOcaklar で、『Toprak Ana Şöleni』というタイトルのイベントを企画しています。イベントは国際キャンペーン”Menu for Change”に捧げるもので、地元製品の試食も予定されています。
イギリス
スローフード・アングリアはノーリッチでイベントを企画しています。ここではイタリア産エクストラ・バージン・オリーブオイルのほか、イースト・アングリアのチーズ各種など、どれもイギリスとイタリアのスローフードメンバーらが作る製品の試食が行われる予定です。
アメリカ
スローフード・バーモントは、ルイジアナの農夫ジョン・コイケンダル(John Coykendall)さんの生活と仕事ぶりを追うドキュメンタリー『Deeply Rooted』の上映を、バーリントンで行う予定です。この40年間コイケンダルさんが情熱を傾けたものは、南ルイジアナの農園の遺産 – 種子とストーリー –を保存することでした。スローフードのかたつむり承認も得ているシェフ ダグ・ペイン(Doug Paine)氏が、和やかで美味しい上映会を演出するべくインゲン豆と米の料理を無料で振る舞います。スローフード・アトランタも『Terra Madre Day Potluck(持ち寄り料理の食事会)』と題する無料イベントを企画中。皆でシェアする料理を持ち寄り、参加は無料です。