スローフード・インターナショナル協会は、時勢の変化や持続可能な発展に伴う食糧生産が世界に与える影響について考える「RIO+20会議」にて重要な役割を担います。スローフードは、現行の食糧システムは地球と地球に暮らす生物を危険にさらす、深刻な影響を与えたと考えています。スローフードによって生み出され、世界150国の小規模農業従事者、漁業者、食の職人、学生、料理人と専門家をつなぐネットワークである「テッラ・マードレ」(母なる大地)は、小規模な生産スタイルこそが、世界規模で実行可能な代案となるだろう、という考えを打ち出しています。
本サミットに先立つ6月16日から19日に10の討論会が開催されますが、その一つである「食と栄養の安全における継続可能な発展についての討論会」に、スローフード・インターナショナル会長カルロ・ペトリーニがブラジル政府より招聘されました。討論会の結果はリオ・サミットの高官円卓会議にて報告されます。
サイド・イベントとしてのスローフード・プログラムは、サミット開催前と期間中に行われます。地元と、そして外部からの来場者たちはワークショップやオーガニック・ファーマーズ・マーケット見学などのようなエデュケーション・イベントに参加することで、継続可能な発展における食の中心的役割についての意識を高めます。
スローフードはまた「おいしく、きれいで、ただしい食」の100のアドバイスを盛り込んだガイドブックを用意しました。それはリオの住民や何千人ものサミット参加者たちが、地元ならではの食材やレストラン、食イベントを発見するのにとても役に立つはずです。地元産の食品をどこで食べたり買ったりしたらよいか、そしてこの活気にあふれた都市で成長を続ける都市農業プロジェクトはどこで見ることができるのか、そんなアドバイスの数々がこの冊子には書かれています。
「1992年にリオ・デ・ジャネイロで開催された国連会議は、ようやく世界中の注目を持続可能な発展に集めることができた、まさに歴史的瞬間だった」とスローフード・インターナショナル会長カルロ・ペトリーニは言います。「それから20年が経過ましたが、私たちは自分達で掲げた目標にいまだ十分な成果をあげていません。私たちが世界の市民としての責任を認識し、地球全体と世界中のコミュニティに投げかけられている巨大な問題を解決するために、積極的な役割を担うことを約束する場であるRIO+20が、強い団結のメッセージを発することを期待しています」。
持続可能な発展についての国連会議—Rio+20は、環境問題と発展についての画期的な国連会議からちょうど20年後の、6月20〜22日に開催されます。約100人の各国首脳や政府要人、5万人の各団体代表が、私たちを取り巻く環境の未来と、世界数百万人の暮らしに関わる問題を明確にするイベントに参加するのです。
スローフードは2002年にブラジルに上陸し、現在では32の支部と4万を超える生産者がそのネットワークに関わっています。
スローフード協会は食べる人や生産する人にとって、そして地球にとって「よい」食べ物を、誰もが楽しめることを目指すグローバルな草の根組織です。世界150ヶ国以上に広がる10万人の会員、数百ヶ所のコンヴィヴィウム(支部)とテッラ・マードレのコミュニティーから構成されています。
テッラ・マードレとサローネ・デル・グーストは、10月25日〜29日にイタリアのトリノにて開催されます。この世界規模の出会いの場は、全ての参加国の食品それぞれが驚くほどの違いを持つことを示し、「おいしく、きれいで、ただしい生産方法」という原則に従う世界中の小規模農業従事者や食料生産の職人たちをつなぐものなのです。
テッラ・マードレのプログラムには隔年の世界会議、地方/国別ミーティング、グローバル・アクション・デイ、そして食のシステムに関わる全ての人々を巻き込むインターナショナルなプロジェクトも含まれます。それは良い意味でのグロバリゼーションであり、農業への工業的アプローチや食文化の規格化を拒む人々の存在を表明するものなのです。
より詳しい情報は下記のサイトをご覧ください。
Slow Food Position Paper on Climate Change and the Food System