「私たちは各国政府に「食料」を政治議題の中心に据えるよう求めます。食料は、すべての人にとっての基本的人権であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成し、サステナブルな未来を構築していくためのの重要な要素だからです。」

12 Set 2024 | Japanese

今月末に迫ったG7に際して、スローフード会長のエドワード・ムキービ氏とスローフード・イタリア会長のバルバラ・ナッピーニ氏は、このような共同声明を発表しています。同期間(9月26日から30日)に開催されるテッラ・マードレ・サローネ・デル・グストには、世界120か国以上から3,000人を超える Good, Clean and Fair な食料を生産している生産者が一堂に会します。

「世界は現在、多くの危機に直面しています。無限の成長を追求するグローバル経済のもとで、利益を追いすぎて、過剰な生産や廃棄が進み、結果的に自然環境や生物の多様性が損なわれています。このしくみでは、市民の幸福や持続可能な未来は実現できません。スローフードは、自然との関係を再構築し、アグロエコロジーを実践するという提案こそが未来のためになると考え、即時に行動が必要なテーマをいくつか特定しています」(ムキービ会長とナッピーニ会長)。

「すべての人に Good, Clean and Fair な食料へのアクセスを保証するための10のポイント」という文書も、農業大臣とその秘書官に提出されます

具体的には、スローフードは各国政府に以下を求めます:

  • 土壌や生物多様性を保護し、世代交代を促進するアグロエコロジーの実践を行う農場を支援すること。
  • 動物を尊重し、辺境地帯を守る農民を支援すること。
  • すべてのレベルの学校で食育を義務化し、新鮮で地元産の質の高い製品を基にした集団給食サービスを推進し、食品廃棄物を減らすこと。
  • 食品供給の流れを再構築する拘束力のある政策を実施し、消費者に透明で完全な情報を提供し、公共の食品調達には最低限の持続可能性基準を設定し、直接販売と農民市場を支援すること。
  • 土壌と消費者の健康を尊重する方法で食料を生産する農民が、公正な価格を設定することを可能にするために必要なすべての政策を実施すること。
  • すべてのGMOを規制し、適切なリスク評価を行い、消費者に対して供給チェーン全体で透明性と追跡可能性を確保すること。
  • 移民を真に統合する政策を実施すること。
  • すべての人々の食料主権を保証し、西洋の食料システムのネガティブな部分を輸出しない経済および貿易政策を支援すること。
  • 小規模沿岸漁業を支援し、世代交代を促進すること。
  • 食品システム全体で、プラスチック包装を最小限に抑えるための強制措置を講じること。

 

アグロエコロジーとスローフードからの提案

アグロエコロジーは、食料システム全体を生態学的、社会文化的、技術的、経済的、政治的な観点から総合的に捉える学問です。これは工業的な農業プロセスに代わる持続可能な選択肢であり、国際的な報告書でも食料システムの変革の重要な推進力とされています。

アグロエコロジーの目的は、農民の力を強化し、食料主権と食料安全保障を確保することです。また、持続可能な方法で全ての人に健康的な食事を提供する強力な食料システムを設計することを目指しています。

「私たちはアグロエコロジーの解決策を実施し、農業に対する代替アプローチが可能であることを証明することを約束します」(ムキービ氏とナッピーニ氏)。

さらに、「今日、私たちはスローフード・ファームを立ち上げ、アグロエコロジーの原則に基づいてGood, Clean and Fair な食料を生産する最大のグローバルネットワークを目指します。これらの農場は、スローフードの哲学に基づき、コミュニティを支援し、地球を尊重し、地域経済を強化する栄養豊富な食料を提供します。これにより、農民の生計を向上させるだけでなく、公正な補償と長期的な経済的安定性を確保します」と、ムキービ氏は説明します。

「スローフードは、これらの農民の声を増幅し、活動家、シェフ、消費者、職人、漁師、そして長年運動を支援してきた農民などのグローバルなコミュニティを繋げていきます」。

バルバラ・ナッピーニ氏も、「誰しもが平和と繁栄の生活を送る権利を持っています。だからこそ、私たちは約40年間にわたり、すべての人にGood, Clean and Fair な食料へのアクセスを保証ためのプロジェクトに取り組んできました。利益を追求するのではなく、生物多様性、土壌の肥沃度、自然資源を保護する考え方に変えていかなければなりません。この変化の中心には、「食育」があります。すべてのレベルの学校で義務化されるべきです。さらに、各国政府に対して、人々の食料主権を尊重するよう求めます」と続けます。

スローフード・ファームは、今回のテッラ・マードレの目玉でもあります。特設会場では、このプロジェクトとその5つの主要分野が紹介されます。「アグロエコロジーの原則を実践に移し、良い影響をもたらしているプロジェクトを展示します」と、ムキービ氏は締めくくります。

スローフード・ファームのプログラムを確認すにはここをクリック: https://2024.terramadresalonedelgusto.com/en/the-agroecology-space-we-cultivate-nature-2/

スローフード農園についてもっと知る: https://www.slowfood.com/slow-food-farms/

スローフード、トリノ市、ピエモンテ州が主催し、農業・食料主権・森林省、観光省、環境・エネルギー安全保障省、外務・国際協力省の後援のもとで開催されるテッラ・マードレでは、国際的に著名な人物や活動家、生産者の証言を交え、G7大臣に提出された文書の核心にある問題を、600以上の講演、会議、テイストワークショップ、学校や家族向けの教育活動を通じて探求します。詳細はこちら。

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